Excel請求書テンプレート無料:記載事項と計算式

Excelで作った請求書でも、必要な事項がそろっていれば問題なく使えます。インボイス(適格請求書)として発行する場合は、登録番号や税率ごとの消費税額などの記載が必要で、消費税の端数処理は「1枚の請求書につき税率ごとに1回」と決まっています。無料のExcelテンプレート(.xlsx、合計と税額の計算式入り)は、請求書テンプレートのダウンロードページから登録なしで入手できます。表計算ソフトを管理したくない方は、無料の請求書作成ツールを使えば数分でPDFが完成します。
Excelの請求書に書くべきこと
インボイス制度に登録している事業者(適格請求書発行事業者)が発行する適格請求書には、次の事項が必要です。
- 発行する事業者の氏名または名称と登録番号(「T」+13桁の数字)
- 取引年月日
- 取引内容(軽減税率の対象品目には、その旨がわかる印。例:「※は軽減税率対象」)
- 税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜または税込)と適用税率
- 税率ごとに区分した消費税額等
- 書類の交付を受ける事業者の氏名または名称
インボイス制度に登録していない場合は、登録番号を書くことはできず、その書類は適格請求書にはなりません。取引先が仕入税額控除のために適格請求書を求めているかどうかは、事前に確認しておきましょう。
請求書番号、支払期限、振込先は法律上の記載事項ではありませんが、入金の確認と問い合わせ対応のために入れておくのがおすすめです。
端数処理のルール:品目ごとに丸めない
Excelの請求書でいちばん多い間違いが、消費税を行ごとに計算して端数を丸め、その合計を税額として書いてしまうことです。国税庁のQ&Aでは、1枚の適格請求書につき税率ごとに1回だけ端数処理するとされており、品目ごとに端数処理して合計する方法は認められていません。切り上げ・切り捨て・四捨五入のどれを使うかは事業者が選べます。
請求書に必要な3つの計算式
例として、コーヒー豆の焙煎店が、企業向けのコーヒー教室と、教室で使ったコーヒー豆の販売をまとめて請求するケースを考えます。教室の受講料は10%、コーヒー豆は飲食料品なので軽減税率8%です。
| A(品目) | B(数量) | C(単価) | D(税率) | E(金額・税抜) | |
|---|---|---|---|---|---|
| 5行目 | コーヒー教室 受講料 | 1 | 20,000円 | 10% | 20,000円 |
| 6行目 | コーヒー豆 1kg ※ | 2 | 3,000円 | 8% | 6,000円 |
1. 行ごとの金額(E5に入力し、下の行へコピー):
=B5*C5
2. 税率ごとの消費税額。 表の下に税率を1つずつ入力し(D9に10%、D10に8%)、E9に次の式を入れてE10へコピーします。行ごとではなく、税率ごとの合計に対して計算します。
=ROUNDDOWN(SUMIF($D$5:$D$7,D9,$E$5:$E$7)*D9,0)
結果は10%対象が2,000円、8%対象が480円です。この例では切り捨てを使っています。
3. 請求金額(税込):
=SUM(E5:E7)+SUM(E9:E10)
合計:税抜26,000円+消費税2,480円=28,480円。請求書には「10%対象 20,000円 消費税2,000円」「8%対象 6,000円 消費税480円」のように、税率ごとの金額と税額を並べて記載します。
D列は「パーセンテージ」の書式にしてから10と入力し、税率を文字列(先頭にアポストロフィ)で入れないでください。文字列になっているとSUMIFが一致せず、消費税が0円のままになります。単価を1円変えてみて、金額・税額・合計がすべて動くか確認すると安心です。
請求書番号:Excelが自動で付けてくれない部分
Excelは前回の請求書番号を覚えていません。テンプレートを上書き保存して前の請求書を消してしまったり、同じ番号を2回使ったりしがちです。次の3つの習慣が役に立ちます。
- 決まった形式:例えば
2026-001、2026-002…。年を先頭に付ければ、毎年1月に001から始めても番号が重なりません。 - 請求書台帳:同じフォルダに、番号・日付・取引先・税抜金額・消費税・合計・入金日を一覧にしておきます。新しい番号は最終行の番号に1を足すだけです。
- 1件1ファイル:ファイル名に番号を入れます(例:
2026-014_北商事.xlsx)。テンプレート自体は空のまま読み取り専用にしておきます。
PDFで送り、7年間保存する
取引先に.xlsxファイルをそのまま送るのはやめましょう。金額を書き換えられるおそれがあり、別のパソコンではレイアウトが崩れます。「ファイル」→「名前を付けて保存」→「PDF」で書き出し、そのPDFを送ります。
交付した適格請求書の写しは、原則として7年間保存します。メールで送ったPDFは電子取引のデータにあたるため、紙に印刷するのではなく、電子データのまま保存するのが原則です。あとから編集できるExcelファイルではなく、実際に送ったPDFを保存しておきましょう。
Excelから切り替えたほうがよいタイミング
最初の数件ならExcelで十分です。無料でオフラインでも使え、計算式もすべて見えます。ただ、毎月何件も請求書を出すようになると、取引先の住所の入力、最後の番号探し、入金の消し込みを手作業で続けるのは大変です。
請求書ソフトなら、番号の採番、取引先と品目の登録、未入金の一覧をまとめて任せられます。KipBillでは、取引先・品目・過去の請求書をExcelまたはCSVファイルから取り込めます。過去の請求書は元の番号のまま取り込まれるので、Excelで管理していた続きからそのまま始められます。
表計算ソフトを使わずに1枚だけ作りたいときは、日本向けの請求書作成ツールで10%と8%の消費税を計算し、アカウントなしでPDFをダウンロードできます。番号・取引先・入金状況を1か所で管理したい方は、無料アカウントを作成してください。
よくある質問
Excelで作った請求書は有効ですか?
はい。必要な事項が記載されていれば、作成に使うソフトは問われません。適格請求書として発行する場合は、上の6つの事項を必ず入れてください。
GoogleスプレッドシートやLibreOfficeでも使えますか?
使えます。.xlsxファイルはLibreOffice CalcやNumbersで開けます。ダウンロードページにはGoogleスプレッドシート用のコピーもあり、上の計算式もそのまま使えます。
請求書に押印は必要ですか?
いいえ。押印や署名は記載事項に含まれていません。商習慣として押印する会社もありますが、なくても請求書としての効力は変わりません。
送った請求書の金額を間違えたら?
送ったファイルを修正して差し替えるのではなく、元の請求書の番号と日付を示した修正版の請求書(または返還・訂正の書類)を改めて交付してください。
2026年10月27日時点の情報です。出典:国税庁「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A」。本記事は税務上の助言に代わるものではありません。
KipBill Team
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